2010年07月27日

日本の水を、日本人が飲めなくなる

【水 異変】狙われる水源地(1)「聖地」に伸びる中国の触手
2010.7.26 16:00

 ぬかるんだ土を踏みしめ、森の奥深くまで登る。やがて木々が開け、眼下に沢が望める所まで来ると、案内してくれた役場の職員が、遠くの山に目をやり声を上げた。「あそこですよ。中国人があの山の木をほしいというのですが、木を運ぶにも道がない。豊富な地下水が目当てとしか考えられないのです」

 1千メートル級の峰が連なる三重県大台町の山地。伊勢湾に注ぐ宮川の源流を有する“水の聖地”だ。その水は「森の番人」と名付けられ、名古屋や大阪で市販されている。日本最多雨地域にも近く、森に点在する池は、モリアオガエルの繁殖地にもなっている山紫水明の地だ。

 「中国人が山を買収する」という情報が流れたのは2年半前。対象地の面積は、登記簿上は250ヘクタールだが、地積が不明確で、実際の面積は甲子園球場260個分の1千ヘクタールともいわれる。そもそもこの山を見ることすら、地元の人の案内なくしてはたどり着けないような山深い場所にある。

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 「垣外俣谷(かいとまただに)の山を買いたいのだが」。50〜60代とおぼしき中国人の男性が大台町役場にやってきたのは平成20年1月。中国人特有のなまりのある日本語だったが、「垣外俣谷」という難しい地名を知っていることについて、職員に驚きはなかった。ここ数年、中国名の会社や個人から10件以上の問い合わせが続いていたからだ。

 男性は立木調査の書類も持参しており、「いい木があると聞いてきた」と話したが、職員は「あそこは道もないし、木を切っても搬出するのが難しい」と返答した。男性は実際に現場を訪れた後、「次は和歌山の方へ行ってみます」と言って立ち去ったという。


【水 異変】狙われる水源地(1)「聖地」に伸びる中国の触手
 大阪の不動産業者のもとにも2年前、中国人がやってきた。買収対象は奈良・吉野の山林。業者が調べてみると、所有者は100人近くに上り、所有者がすでに死亡して相続時の名義変更が漏れているケースも多かった。業者が「書類が4千枚以上は必要になり、売買終了までに2、3年はかかるでしょう」と答えると、先方は「そんなにかかるのか」と驚いた様子だったという。

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 「中国の北部は渇水で困っており、南部は水が汚くて使えない。中国は、水の確保に奔走しています」

 高知工科大の村上雅博教授(環境理工学)は、自作した「世界の水紛争マップ」を広げながら、中国の水不足の現状を説明した。水道整備が十分でないまま経済だけがどんどん発展したツケが、近年になって顕在化しているという。

 今年春に中国を訪れた水ジャーナリスト、橋本淳司氏は「長江は臭くてたまらなかった。北京の地下水は汚染物質に侵されており、自然界にありえない物質が入っている」と話す。

 昨年は、中国の小麦地帯で干魃(かんばつ)が深刻化し、数百万人分の飲料水不足が伝えられた。黄河や長江の流域に約4千あった湖も半減している。

 世界各地で深刻化する水不足は紛争を引き起こす。必ずしも銃火を交えたものではなく、水利権を巡る激しい経済紛争も含む争いだ。村上教授の水紛争マップには「紛争継続中」を示す赤い点が、いくつも打たれていた。



 水不足とは縁遠いと思われてきた日本の水源地に、中国系のブローカーらが触手を伸ばしている。日本も水紛争の“戦場”となるのか。国内の水源地をめぐる異変を報告する。

posted by amie at 11:10| Comment(1) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
amieが登記したの?
Posted by BlogPetのえる at 2010年07月28日 14:44
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